安倍総理の所信表明演説が、11月17日に、ようやく行われました。再三の野党
による臨時国会開会の要求を無視し、開いた当日に解散した安倍総理。この
衆院選後初の国会でも、所信表明や代表質問は行わないで閉じようとしていた
ことからか、所信表明演説は、これまでの歴代総理の演説の中で2番目に
短かった、と報じられています。その所信を受けての各党に代表質問が、昨日
20日から行われています。昨日は、自民の岸田政調会長、立憲の枝野代表、
希望の玉木代表が質問にたち、各党の立ち位置がはっきりした、といわれて
います。岸田氏が、総理に丁寧で謙虚な姿勢を求めるなど、自民党から苦言も
あったことは、当然のことながら、よいことだと思います。立憲の枝野代表は、立憲
主義に反する安全保障関連法案を前提とした憲法改正論議は認められないと
主張したのに対して、安倍総理は、法律は憲法の範囲内で整備され、ベストな
内容だと反論しました。立憲は、憲法改正に反対し、対立姿勢を明らかにしま
した。希望の玉木代表は、政府への提言にこだわり、大平元総理の政治哲学を
取り上げて、与野党を超えて建設的な議論をしようと訴えました。立憲との違い
を出すために、評価と批判のバランスにこだわった、ということです。相変わらず
巨大与党の一強に対して、野党はさらに分裂し、多弱野党ともいわれています。
300議席超の巨大与党に対して、野党第2党の希望が、50議席程度で提案型で
いっても、相手にしてもられるのか気になります。建設的な議論を期待しますが、
質問時間の割り振りについては、今回の代表質問でも与党側の提案で採決で
決められています。行政のチェック機能という国会本来のあり方を大切にする
ためにも、野党に多くの時間配分をすることが、あるべき姿だと思います。分裂
した野党は、選挙後すぐに連携とはいかないと思いますが、与党と実りのある
質疑をして、とるべきものはとるためにも、連携すべき点を模索してほしいもの
です。