今月14日に発覚した大相撲の日馬富士関の暴行問題は、連日、新しい事実が

 

明らかにされ、発言する人によって違いがあり、不透明感が強くなっています。

 

公益財団法人になった日本相撲協会の対応が後手後手にまわっているようで、

 

事実を明らかにし、事態を収拾するには前途多難ともいわれています。もちろん

 

人格者でなければならない横綱が暴力をふるうことは、許されることでは

 

ありません。そうは言っても、ビール瓶で殴ったのか、そうでないのかによって、

 

心象は大きく違うのでは、ないでしょうか。明らかになっている概要は、10月25日

 

夜から26日未明にかけて、横綱日馬富士関が平幕の貴ノ岩関に鳥取市内で

 

暴行。26日に貴ノ岩関は、巡業に参加して取組も行う。29日に貴ノ岩関の師匠

 

貴乃花親方が鳥取県警に被害届提出。11月2日に日本相撲協会に鳥取県警

 

から連絡が入る。3日に鏡山危機管理部長が、双方の師匠に電話で事情を聴く。

 

貴乃花親方は「よく分かりません」と答える。5日貴ノ岩関が福岡市内の病院に

 

入院。9日退院。「脳震盪、左前頭部裂傷、右外耳道炎、右中頭蓋底骨折、髄液

 

漏の疑いで約2週間」と診断される。10日に貴ノ岩関が九州場所を初日から休場

 

することが判明。14日、一部報道で問題が発覚。日馬富士関が謝罪し休場。相撲

 

協会が本格的な調査開始を発表。15日、鳥取県警が傷害容疑で捜査している

 

ことが判明。16日酒席に同席した横綱白鵬関が、日馬富士関のビール瓶での

 

殴打を否定。17日、鳥取県警が両国国技館で日馬富士関を事情聴取。貴ノ岩関

 

の診断書作成の医師が、9日時点で相撲を取ることに支障がないと判断していた

 

こと、また頭蓋底骨折と髄液漏は、ともに疑いで、今回の事件によるものか以前の

 

ものかもわからないとしていることが判明。19日に、日馬富士関に日本相撲協会

 

が聞き取り。改めて暴行の事実を認め、「素手で殴った」と話し、ビール瓶で殴った

 

ことは否定。等々、連日、大きく報じられています。貴ノ岩関が、日馬富士関に

 

日頃の態度などについて注意をされている最中にスマートフォンをいじっていた

 

ことに腹を立てた、といわれています。疑問があるのは、貴乃花親方が、被害届

 

を出しながら、日本相撲協会には、「分からない」と答えていたこと。そして、一言も

 

発言せず、被害届を取り下げる気はなく、民事訴訟などの法的対応も辞さずと

 

頑なにしている点。また、医師が相撲をとって大丈夫としているのに、なぜ貴ノ岩

 

関は休場したのか。彼も、姿も現さず、一言も発していません。横綱が暴力を

 

ふるったことは、当然非難されるべきことですが、引退まで必要なのか。また

 

貴乃花親方(現役時代は応援していました)が、相撲協会改革のために、この事件

 

を利用しているとか、理事長を狙って仕掛けたなどとも言われていることには、

 

モヤモヤしたものが強くあります。モンゴル出身者は認めないようにしようなどと

 

極論も飛び出していることは、不幸なことだと思います。不祥事で大相撲が低迷

 

していた時に、土俵を守ってきたのは、白鵬関でした。事実が明らかになり、日本

 

の国技ですが、出身国に関わらず、気持ちのよい相撲がみられる日が、1日も早く

 

来ることを願っています。