北朝鮮は、日本時間の15日午前6時57分頃に、弾道ミサイルを発射する
など、国連などの動きを無視して、ミサイル発射を繰り返しています。現在
開かれている国連総会で、19日にアメリカのトランプ大統領が、就任後初めて
一般討論演説を行いました。トランプ氏は、核実験などを強行した北朝鮮を
世界共通の脅威と非難し、アメリカが自国や日本などの同盟国の防衛を迫られ
れば「完全に破壊」するしか選択肢がなくなると警告しました。演説で、トランプ
氏は、金正恩体制を「下劣」だと述べ、「核・ミサイル開発を無謀に追及して
いる」と批判し、北朝鮮は核放棄しか未来はないとも強調した、と報じられて
います。また、金正恩氏を「ロケットマン」と揶揄したりもしました。横田めぐみ
さんに触れたことは、日本では大きく取り上げられましたが、北朝鮮に対しても
国際社会は連携を深め、対処しなければならないのに、乱暴なことばや言い方
をし、一方で、国益を最優先にする「米国第一」を改めて強調しました。これでは
事態が好転するはずはなく、またトランプ氏は不安をまき散らしたことに
なります。安倍総理も、20日に国連総会で一般討論演説をしましたが、「必要
なのは対話ではなく圧力だ」と訴えました。大半を北朝鮮問題に割きましたが、
制裁で圧力をかけた、その先が見えない、と言われています。一方、北朝鮮
の李容浩(リヨンホ)外相は、23日に演説をし、自国の核・ミサイル開発を「正々
堂々たる自衛的な措置」と主張しました。「最終目標は米国と力の均衡をとる
ことだ」とも述べました。李氏は、トランプ氏の「ロケットマン」と金正恩委員長を
呼び「完全に破壊する」と述べたことを強く批判しました。これに対して、
トランプ氏は、「小さなロケットマンの考えを繰り返したのなら、彼らは長くない
だろう」とツイッターで批判しました。このように、激しいことばのやりとりを、
予測不能な、アメリカと北朝鮮のトップがすることには、強い危機感を持ち
ます。トランプ氏と仲良し?の安倍総理は、トランプ氏寄りの圧力一辺倒の
姿勢だけではなく、もっと対話の推進についても助言するとは、できないの
でしょうか。全く目が離せない情勢が続いています。