スペイン北東部のバルセロナで、バンが歩道に突っ込んで13人が死亡した
17日夕方(日本時間18日未明)のテロに続いて、18日未明には、約120
キロ離れた別の町でも車が市民に突っ込み、女性が死亡しました。イスラム
過激派による犯行とみられています。地元警察は、18日の記者会見で、
同一グループの組織的犯行で、爆発物を使った大規模なテロが失敗に
終わったため、車を凶器に使ったという見方を示しました。今日のニュース
では、この14人が死亡し、120人余りがけがをした一連のテロ事件で、
モロッコ国籍の若者を中心とした犯行グループの中に、最近になって過激な
思想に染まったと見られる若者がいることがわかり、以前逃走している実行犯
の男の行方を警察は追っている、と報じられています。スペインのメディアは、
犯行グループは、北アフリカのモロッコ国籍の若者など12人で、この多くが
暮らしているバルセロナ近郊の町リボイで、地元の40歳前後のイスラム教
の宗教指導者から過激な思想を吹き込まれて犯行に及んだ可能性がある、
と伝えています。そして、リボイでは、この指導者と関わった若者たちが、急速
に変わっていったという証言も聞かれた、とのこと。そうしたことが、わかって
いながら防げなかったのは、残念です。しかし、その国で暮らしている人が、
ある日突然テロに走ることを防ぐことは、容易ではないことも理解できます。
イスラム国が壊滅状態になっても、最近各国で起きている、ホームグローン
の若者たちが、車などを使って行うテロが拡散していっていて、どこなら
安全、ということは、なくなりつつあるのかと思います。テロ後行方不明だった
7歳の男の子の死亡が確認された、ということで、痛ましい限りです。夏休みで
海外に出かける人も多い中、日本人にとっても他人事ではありません。
国際的に情報を共有し、孤立する若者がでないよう、地道に教育や就労などの
場を作っていくしかないのかと思いますが。