全国に210ヶ所ある児童相談所が、2016年度に対応した児童虐待の件数が
12万2578件(速報値)となり、過去最多になったことが、昨日17日、厚生
労働省のまとめで、わかりました。児童虐待への意識が高まり、相談・通告が
増えた面もありますが、配偶者への暴力で子どもが心理的ストレスを受ける
面前DVなどは増えていて、歯止めがかからない実態が明らかになった、と
報じられています。集計を始めた1990年度から、26年連続で増加して
います。また、虐待で死亡した子どもについては、検証するのに時間がかかる
ことから、2015年度のデータが公表され、無理心中を除く虐待で死亡した
子どもは52人、ということです。死亡した52人のうち、30人は0歳児で、
孤立しがちな母親への妊娠期間中からの支援が必要、といえます。また、
児童福祉施設や里親のところなどで、子どもが虐待を受けることが、2014
年度に62件あり、86人が被害にあったことも公表されました。児童虐待に
ついては、国会議員の時から、子どもたちを守るために、児童虐待防止法の
2回の改正に関わり、関係者が強く要望していた、親権の一時停止もできるよう
法改正もしました。その頃から変わっていないのは、児童相談所が忙しすぎて
個別の事例に向き合う時間がたりない、ということです。当時、非常勤ですが、
児童相談所の人員を増やすこともしました。厚生労働省は、児童相談所の
「強化プラン」で、虐待に対応する児童福祉司を2016~19年度の4年間で
約2割増やすとしています。きちんと実現してほしいと思います。また、4月に
施行された改正児童福祉法では、市区町村に支援拠点の設置を求めて
いますが、努力義務で、財政面のこともあり、自治体によって取組の度合いに
違いが出てきそうです。児童相談所だけでなく、市区町村が専門職を配置して
支援をしていってほしいと思います。そのためには、国として財政支援をする
ことが必要でしょう。一番愛されるべき家族に虐待を受け、命までなくすことが
ある児童虐待。多くの人の目と支えが必要だと思います。今は、軽井沢の
一住民となりましたが、児童養護施設(半数以上が虐待を受けた子ども)の
応援、そのグループホームでの夕食作りのボランティアを続けています。
行政の財政を含めた体制づくり、私たちができる支援、協働して、子どもたちを
守れればと思います。