終戦から72年の今日15日、およそ310万人の戦没者を慰霊する政府主催の

 

全国戦没者追悼式が、東京の日本武道館で行われました。天皇皇后両陛下が

 

参列され、天皇陛下は「ここに過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の

 

惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、~」と、3年連続で、「深い反省」と

 

述べられました。一方、安倍総理は、「戦争の惨禍を二度と繰り返してはならな

 

い。~」とは述べましたが、5年連続で、「戦争責任」には触れなかったと、報じ

 

られています。式典には、全国から遺族の代表など、およそ6400人が参列

 

しましたが、参列した遺族の78%は70歳以上になり、戦没者の妻も、これまで

 

で最も少ない6人になった、ということです。去年に続いて、今年もすべての

 

都道府県から、18歳未満の若い世代123人も式典に参列しました。戦争を

 

知らない世代が増えていく中で、どのように伝えて行くかが、大きな課題です。

 

長野の信濃毎日新聞では、松代大本営を含む全国51ヶ所の戦争遺跡調査が

 

たなざらしになっている、として特集を組んでいます。この調査は、文化庁が

 

詳細調査として実施し、2005年度の実質終了から12年たった今も、取り

 

まとめや公表の見通しがたっていない、ということです。文化庁は、「文言を

 

調整中で、慎重に検討しているため」としていますが、沖縄など一部の遺跡の

 

記述を巡って、政府内で慎重論が出て、公表できなくなった、と指摘されて

 

いるそうです。こうしたものを、きちんと残していくことが必要ですが、右寄りの

 

安倍政権のもとで困難ということなら、問題だと思います。「共謀罪」を強行採決

 

するなどのやり方が、戦争に向かっていった時の「治安維持法」と共通している

 

という指摘もあります。戦後72年、戦争で誰も殺さず、誰も殺されずにきたこと

 

は、世界に類をみない貴重なことだです。それを、まず抵抗の少ないところから

 

「お試し改憲」をして、憲法9条をも変えていこうとしている安倍政権に対して、

 

目を光らせ、ものを言い、行動していくことが大事だと、終戦の日に改めて強く

 

思います。