多くの不適切な発言で、大臣としての資質が問われている、稲田朋美防衛大臣
が、南スーダン国連平和維持活動（ＰＫO）部隊の日報を廃棄したとしながら
陸上自衛隊が保管していた問題で、２月に行われた防衛最高幹部による緊急
会議で、保管の事実を非公表とする方針を幹部から伝えられ、了承していた
ことが、わかりました。複数の政府関係者が明らかにした、と報じられて
います。政府関係者によると組織的な隠ぺいがあったかを調べている防衛大臣
直轄の防衛観察本部に対して、陸上自衛隊は、こうした経緯を報告している、
ということです。稲田大臣は、国会答弁で、一連の経緯の報告を受けていないと
して、「改めるべき隠ぺい体質があれば私の責任で改善していきたい」として
いました。国会でも虚偽の答弁をしたことになり、防衛大臣の辞任を求める声が
強まることは確実、といわれています。日報のデータがあることを知った陸上
自衛隊側は公表の準備をしましたが、稲田氏を含む関係幹部が集まる会議で
非公表の方針を決定したということです。唯一の軍事的組織である自衛隊で、
シビリアンコントロールのために欠かせない事実を国民から隠す隠ぺいが
行われ、国民の代表の国会議員から選ばれて大臣をしている稲田氏が、
それを阻止できず、了承し、国会で虚偽答弁をしていたことは、許されるもの
ではないと思います。安倍総理が寵愛していて、何があっても辞めさせずに
きた稲田氏ですが、公明党幹部も「事実とすればかばいきれない。致命的な
失態だ」と述べ、自民党の閣僚経験者も「予算委員会でうそをついたことに
なる。大変な問題であり、防衛相更迭だ」と語るなど、与党内でも失望感が
出ている、と報じられています。これまでも、都議選の時に応援演説で、
「防衛大臣、自衛隊、防衛省」としてお願いと、違法な発言をしたこと。
森友問題で、裁判に関わったかについて虚偽の答弁をして、訂正し陳謝
したこと、九州豪雨で自衛隊が活動している最中に、防衛省を留守にして
勉強会に出ていた、等々、防衛大臣失格の言動が相次いでいましたが、
さすがに今回は、内閣改造までもたせることは無理があると思います。
安倍総理の任命責任も大きく問われています。