獄中でノーベル平和賞を受賞した中国の民主活動家、劉暁波氏(61歳)が、
13日、8年半にわたる拘束、服役の末、亡くなりました。中国で、自由を追い
求めた生涯は、不当な獄中生活の中で、政治犯として長い服役を強いられ、
その間に肝臓がんが悪化し、処遇に重大な問題があった疑いが強く、
そもそも投獄されたことが理不尽なものでした。劉氏は、天安門事件を含む
民主化運動で活躍し、その後、共産党による独裁廃止などを求める「〇八
憲章」を起草したことを理由に拘束され、国家政権転覆扇動罪で懲役11年の
実刑判決が2010年に確定し、服役していました。末期がんで入院したことが
先月明らかになり、劉氏は海外での治療を希望したとされていますが、
ドイツやアメリカが受け入れを表明したにもかかわらず、中国政府は、内政問題
として拒み、問題になっていました。「中国の良心が死んだ」などとツイッターに
あたるウェイボーで、つぶやきが広がっている、ということです。劉氏は、死の
直前、傍らにいた妻の劉霞さんに、「幸せに暮らしてくれ」と最期のことばを
残した、と報じられています。その劉霞さんや支持者たちが、軟禁状態、
という報道もあります。こうした中国の人権問題について、世界第2位の
経済大国になった中国に、欧米や日本などは、批判することに及び腰なのは、
残念なことです経済関係を優先する国際社会を前に、習近平指導部は、
抑圧の手を緩める気配はない、とのこと。日本政府も、対中配慮で、
中国への批判は避け、哀悼の意を表しただけです。民衆を敵視した
ままでは、中国は健全には発展できず、ツケは自らに回ってくると思います。
劉氏の意思、願いを引き継げる国際社会であってほしいと願っています。