昨日10日、安倍総理の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)

 

の獣医学部新設計画を巡る、国会の閉会中審査が、衆参両院で行われ

 

ました。参考人招致された前川喜平前文部科学次官は、「背景に官邸の動きが

 

あった」と首相官邸の関与を強調しました。しかし、新しい事実は示されず、

 

関与を指摘された萩生田官房副長官なども従来通り、関与を否定し、主張が

 

対立したままで、解明はほど遠いと感じました。だいたい、肝心の総理がG20

 

等で海外にいて不在の時に閉会中審査を開き、これで幕引きを狙ったこと自体

 

が納得できません。また、前川前次官が「キーマン」としている、和泉首相補佐

 

官の出席を与党が拒否したことも、議論がかみ合わない原因で、何か隠したい

 

からかと思わせます。そして、前川前次官が、直接要請を受けたと述べている

 

木曽元内閣官房参与は、現在加計学園の理事ですが、民間人だからと

 

出席を与党は拒みました。これでは、丁寧に説明する、と述べている安倍総理

 

の意向は、どうなっているのかと疑念を持ちます。総理の意向だとしたものなど

 

多くの文書の存在、加計学園が獣医学部新設の4条件に合っているかをきちん

 

と検討していないこと、官邸の意向を伝えるキーマンたちとの面談内容など、

 

前川前文部科学次官の参考人としての約7時間に及ぶ審査での発言は、

 

説得力があったと思います。これで幕引きにしようという政府与党の考えは、

 

最近の世論調査でみても、とても国民に受け入れられるものではないと思い

 

ます。安倍総理は、8月初めの内閣改造で支持率浮揚を狙っている、とされて

 

いますが、政権を支持している読売新聞の調査でも、30%台に支持率が

 

落ち、支持しない理由として、安倍総理が信用できないというものが半数近くを

 

占めています。その大きな要因のひとつ加計問題を解明するためには、早く

 

臨時国会を開き、国会の場で、総理自身が言われたように、丁寧に納得できる

 

説明をすることしかないと思います。