大阪地検特捜部は、昨日19日、詐欺と補助金適正化違反の疑いで、学校
法人「森友学園」(大阪市淀川区)の事務所や籠池前理事長の自宅、系列の
保育園などの家宅捜索を行いました。園児たちへの影響を考慮したのか、午後
7時前から明け方まで、10人ほどの係官が、段ボール100個位を押収した、と
いうことです。籠池氏の立件を視野に捜査を進めるそうで、国有地を安価に
取得して小学校の開校を目指していて、安倍昭恵夫人の関与などが疑われた
森友問題は、刑事事件に発展しました。大阪府の調査によると、2011~16
年度に学園運営の塚本幼稚園に支給された経常費補助金のうち、教員が専任
の場合のみ支給される人件費約3440万円を不正受給したと認定、と報じ
られています。また、障害などで特別な支援が必要な「要支援児」の受け入れ
補助金でも、2011~15年度分の2744万円に不正があったとしています。
特捜部は、大阪府の告訴を5月に受理しています。3月には、小学校建設に
絡んで、国の補助金約5600万円を不正受給したとする補助金適正化法違反
容疑の告発も受理しています。もちろん不正は正されなければなりませんが、
籠池氏をたたいただけで、森友問題が終わる、ということは納得できません。
もともと森友問題の本質は、国有地の異常な安さでの取得、不可解な学校設立
認可、そこに安倍昭恵夫人や総理の関与があったのかどうか等です。決して
籠池氏1人の個人的な問題ではないので、国会が閉じても、政府は、納得
できる説明をするべきだと思います。特捜部は、不当に安い価格で国有地を
売却し、国に損害を与えたとして、豊中市議などが出した財務省近畿財務局
担当者への背任容疑の告発も、4月に受理し、国の担当者から説明を求めて
いる、ということですので、こちらもしっかりと捜査してもらいたいものです。