学校法人加計学園の獣医学部新設計画を巡る問題で、当初は「怪文書」扱い
していた文書の再調査を、9日に松野文部科学大臣が表明しました。その前日
に、官邸が決定した、ということです。かたくなな姿勢を改め、このタイミングで
再調査を決定したのは、都議選を前に支持率低下を招くことへの危機感、
そして、国会の閉会間際なので逃げおおせると考えたからでは、
ないでしょうか。形だけの調査では、国民は納得しないと思います。そうした中、
昨日13日の参院農林水産委員会で、義家文部科学副大臣が、この問題で
「総理のご意向」と書かれた文書の存在などを告発した文部科学省の内部告発
者について、「国家公務員法違反(守秘義務違反)」で処分する可能性を示唆
しました。義家氏は、「文部科学省の現職職員が公益通報制度の対象になる
には、告発の内容が具体的にどのような法令違反に該当するのか明らかに
することが必要だ。」「告発内容が法令違反に該当しない場合、非告知の
行政運営上のプロセスを上司の許可なく外部に流出されることは、国家公務員
法(違反)になる可能性がある。」と述べた、と報じられています。ある文書を
ない、怪文書と言い続けることに対して、存在を知っている職員があることを
話したこと、しかもその内容はすでに報道されているので「非告知」ではない
はずなのに、告発者を処分する、というのはおかしいと思います。その文書が
あっても、総理がどう関わったのか等が、法律違反かどうかを証明することは
難しいと思われ、これでは再調査は、犯人探しのように見えます。また、発信元
の内閣府でも調査をすべきだと思います。文部科学省に内閣府が圧力をか
けたのではないかと疑われている内閣府は、当事者です。内閣府が、事前に
今治市に資料を提供していた、また、何回も情報交換をしていたことは、
同じく申請していた京都府への対応と明らかに違います。ほんとうにやましい
ことがないなら、事実を明らかにすべきだと思います。そもそも当初の「怪文書」
とした対応が誤っていたのですから。国民が納得できる対応をしなければ、
高い支持率を誇っている安倍政権でも、ボディーブロウのように効いてくるの
では、ないでしょうか。