2016年に国内で生まれた赤ちゃんの数、出生数が、97万6979人で、前年
に比べると2万8698人減り、現在の形で統計を取り始めた1899年以降、
初めて100万人を割り込んだことが、2日、厚生労働省の人口動態調査で
わかりました。女性が一生の間に産む子どもの推定人数、合計特殊出生率は
1.44で、前年に比べて0.01%減り、2年ぶりに低下しました。死亡数から
出生数を引いた人口の自然減も33万786人で過去最大になりました。
合計特殊出生率は、2005年の1.26を底に、2013年までは緩やかに回復
していましたが、2014年以降は足踏み状態になっていました。母親の年代別
では、35~44歳で微増でしたが、34歳以下はすべての世代で低下しました。
厚生労働省は、「人口規模が大きい団塊ジュニア世代がすでに40代となり、
主な出産世代ではなくなった」としていて、「晩婚化や婚姻件数の低下が影響
している。このまま減少が続くと予想される。」としています。政府が、出生率の
目標値を設定することは、「平成版産めよ殖やせよ」になるのでダメで、持ち
たい人が安心して産み育てられる環境整備をすれば、各国の例をみても、
出生率は上がってくる、と私はずっと解説委員としても政治家として述べて、
国会ではそのための政策も作ってきました。社会保障と税一体改革で、
社会保障に「子育て支援」を柱として加え、子ども・子育て支援の新しい制度
を作ったりもしました。安倍政権では、保育士を確保するために、平均の月収
より月あたり10万円以上安い保育士の給与を上げることも含めた質の改善等
に使うための消費税の2段階目の増税を2回も先送りしています。安倍政権
は、希望する人の出生率として「希望出生率1.8」を掲げていますが、保育所
の充実が実現せず、女性活躍といっても働き方の長時間労働が改まらず、
仕事も子育てもということが実現しにくい現状では、欲しくても子どもが持て
ません。2人は子どもは欲しいという若い人が8割もいるのですから、もっと本腰
を入れて取り組まないと、超少子高齢社会にさらに拍車がかかると、日本に
とって深刻な事態になると思います。最重要課題として、実のある政策の実現
を強く望みます。