若者の自殺が増えているという、自殺対策白書の内容が報じられています。

 

厚生労働省がまとめた、2017年版自殺対策白書が閣議決定されました。

 

その中で、5歳ごとに区切った年齢階級別でみると、15歳から39歳までの5

 

階級で、死因の1位が「自殺」でした。白書は、「若い世代の自殺は深刻な状況

 

にある」としていて、若年層の自殺者数を低下させることが重要な課題だとして

 

います。白書の中で、警察庁の統計では、2016年の自殺者数は2万1897人

 

で、7年連続減少しています。若い人たちを自殺に追い込むのは、どのような

 

ことが原因になっているのでしょうか。20代、30代の原因で非常に高いのが、

 

「健康問題」で、うつ病などの精神疾患が目立つということです。それに次いで、

 

「経済・生活問題」「勤務問題」となっています。若い人たちの働き方が、非正規

 

雇用が4割以上で、不安定な雇用ということと関係があると思います。政府は、

 

夏に取りまとめる新たな自殺総合対策大綱に、長時間労働是正の取り組みを

 

盛り込むとしていますが、これだけでは不十分だと思います。非正規雇用だと

 

オン・ザ・ジョブ・トレーニングが受けられず、技能などを上げることができず、

 

昇格も昇級もないままということになります。大臣をしていた時にも、有識者

 

による検討会議を立ち上げ、若い人たちの職業訓練のあり方を、政府をあげて

 

抜本的に改善をし、取り組まないとならないと考えていました。企業まかせでは

 

非正規雇用の人は、取り残されたままになります。20歳未満の自殺の原因

 

では、学業不振、進路や入試の悩みなどの「学校問題」が最も多く、「家庭

 

問題」も多くなっています。自殺者全体は減っているのに、増えている若者の

 

自殺に、国が力を入れることは、もちろん必要ですし、支援するNPOなどとの

 

協働が大事だと考えます。