イギリス中部マンチェスターで、22日午後10時半(日本時間23日午前6時半)
ごろ、イベント会場「マンチェスター・アリーナ」で、大きな爆発があり、子どもを
含む22人が死亡、59人が負傷しました。コンサート会場では、若者に人気の
アメリカの歌手アリアナ・グランデさんのコンサートが行われていて、終了直後
に、隣接するマンチェスター駅へ通じる出口付近で爆発があった、ということ
です。負傷者のうち、19人が重体とのこと。8歳の少女をはじめ、若い人たちが
多く犠牲になっていて、憤りでことばもありません。イタリアでのサミットを控えて
厳戒態勢の欧州でまた、警備が手薄で不特定多数が集まるソフトターゲット
が、狙われました。イギリスでは、2005年に52人が死亡したロンドン同時多発
テロ事件以来、警備を厳重にしていましたが、今回は、会場の外で、警備が
手薄になり人が殺到する終了後の出口が狙われた、ということで、防ぐことの
難しさを思わされます。イギリスのメイ首相は、テロ事件と断定する声明を出し、
23日夜には、テロに対する警戒レベルを現在の「シビア(厳しい)」からい1引き
上げ、5段階の最上位の「クリティカル(危機的)」にした、と発表しました。自爆
テロの実行犯は、サルマン・アベディ容疑者(22)と見られる、と発表されて
います。マンチェスター生まれで、両親はリビア人の移民で、最近も中東に
行き、当局がマークしていた、との報道もあります。また、今回のテロ事件に、
広範囲の個人のグループが関わっている可能性は無視できない、とメイ首相は
話しています。過激派組織「イスラム国」(IS)は、犯行声明を出しましたが、
容疑者との関連性は不明で、治安当局が慎重に調べています。アリアナ・
グランデさんは、アメリカでグラミー賞の候補になるなど、若手実力派として
注目され、今回も、親子づれや若い人たち、2万1千人がコンサートを聞いて
いたそうです。無差別のテロ、特に若い人が多く犠牲になったことは、絶対に
許せません。アリアナ・グランデさんは、8月には日本でもコンサートを予定して
いるとこのこと。テロ事件後に、各国の首脳が、テロを非難しています。国際的
に協力して、テロ防止に最大限努めることと、根本的には、差別や貧困をなく
していく長期的な取り組みが必要なのだと思います。