アメリカのトランプ大統領が、ロシアによる米大統領選干渉疑惑を捜査していた

 

FBI(連邦捜査局)のコミー長官を解任したことには、驚きました。コミー氏は、

 

疑惑をめぐる捜査員増強と追加予算を求めていました。解任前に、トランプ氏

 

は、コミー長官に、自身が捜査対象になっていないかを3度も直接確認したと

 

テレビで明言しています。また、コミー氏に対して、辞任したフリン前大統領

 

補佐官に対する捜査をやめるよう要請していた、とも報じられています。また、

 

ロシアのラブロフ外相に、イスラエルから提供された機密を漏えいした、とも

 

報じられていて、呆れるばかりです。こうした捜査終結要請や機密漏えいは、

 

ニクソン大統領が辞任に追い込まれたウォーターゲート事件になぞらえて、

 

「ロシアゲート」事件と呼ばれています。こうした中、米司法省は、17日、昨年の

 

大統領選でトランプ陣営とロシアが結託した疑惑を巡る捜査を統括する特別

 

捜査官に、元FBI長官のロバート・モラー氏を任命した、と発表しました。

 

トランプ政権とロシアの不透明な関係を巡って、関連するあらゆる事象が対象と

 

され、疑惑の捜査が本格的に行われることになります。トランプ氏本人の関与

 

が最大の焦点で、民主党のグリーン議員は、17日の本会議で「司法妨害に

 

伴う大統領の弾劾を要求する」と表明した、ということです。特別検察官は、

 

大統領や政権高官が関与した不正など重大な疑惑の捜査の場合に、任命

 

されます。特別検察官は、広い裁量と独立性を持ち、司法省やFBIの全資料を

 

閲覧でき、予算や人員についても大きな裁量があります。過去には、1970年

 

のウォーターゲート事件や、19904年代のクリントン大統領の不倫もみ消し

 

疑惑などで任命されています。コミー氏は、FBI長官だった10年の任期を

 

超えて12年間、テロ対策などに取り組み、与党共和党からも特別検察官任命

 

に期待の声が上がっている、高潔な人物、と紹介されています。アメリカの政治

 

が疑惑に包まれていると、世界的に影響があり、日本でも、トランプリスクで、

 

東証の株価が261円下落しました。ニューヨーク市場では372ドル安です。

 

共和党内からも、大統領弾劾の話が出ているともいわれ、今後の特別検察官

 

による捜査から、目が離せません。