子どもを安心して産み育てられないことのひとつに、子どもの貧困があります。
日本の子どもの貧困率は16.3%で、6人に1人の子どもが貧困に苦しんで
います。シングルマザーが増えたこと、男女の賃金格差などが、その背景に
あります。日本のシングルマザーは、どの国より働いています。しかし非正規
雇用で賃金が安く、仕事をかけもちして、ダブルワーク、トリプルワークをして
いる人もいます。そうなると、子どもの食事や勉強などを見ることもできず、
貧困な家庭ほど学力が低くなり、貧困の連鎖が断ち切れません。そうした中で、
学校の給食は、子どもたちの発育に欠かせない役割を果たしています。主食、
おかず、牛乳を提供する完全給食を、公立の中学校で実施している割合に
ついて、全国主要74市区に、朝日新聞が調査したところ、都市間で大きな差
があり、50%未満が5市あった、と報じられています。給食がない場合、生活
保護や困窮家庭向けの就学援助に給食費が含まれていないので、昼食代が
家計の負担になっている、とのこと。この調査では、札幌、仙台、大阪や東京
23区の計59市区が100%実施している、と回答。50%未満は、横浜0%、
大津6.6%、川崎9.3%、高知16.1%、神戸37・5%でした。給食が全く
ない横浜市は、弁当を持参できない生徒が、業者の配達弁当を利用できる
方式を採っていますが、就学援助の対象外で、市の教育委員会は、今年1月
家庭の事情で用意できない生徒には無料で提供することにした、ということ
です。学校給食は、格差是正の役割をもっています。低所得の子どもだけ
支援すると、差別やいじめを生む可能性があります。全員を対象にした完全
給食が望ましいと思います。行政だけでは対応できないこともあり、各地で
子ども食堂などが、ボランティアとして行われています。軽井沢でも、今月から
月1回ですが、最終土曜日の昼に、中央公民館で子どもたちに昼食を提供する
「こどものいばしょ~あたしキッチン」を、先月から始めた軽井沢フードバンクの
活動の一環として始めます。