兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局で、1987年、記者2人が散弾銃で殺傷
された事件から、昨日3日で30年になりました。支局では、犠牲になった小尻
知博さん(当時29歳)を悼み拝礼所が設けられ、多くの市民などが訪れた、
と報じられています。憲法記念日の夜に、なぜ襲撃されたのか。「赤報隊」名の
犯行声明文が届き、警察が捜査しましたが、2002年、殺人罪の時効が成立
しています。昨日3日には、「言論の自由を考える5.3集会」(朝日新聞労働
組合主催)が、神戸市でありました。30回目の今回のテーマは「”不信””萎縮”
を乗り越えて」で、「ポスト真実(トゥルース)」が今の時代を象徴することばと
して語られる中、メディアを取り巻く現状や課題について、パネリストなどが
議論しました。コーディネーターの池上彰さんは、「30年前、憲法記念日に
新聞社に攻撃があったことを忘れてはならない。メディアがしっかりしなければ
社会はダメになる。改めて原点を確認したい。」と。また、今年発表された
国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」の報道自由度ランキングで、
日本が先進7ヶ国(G7)で最下位となったことについて、「空気を読んだり、
面倒くさがったりして、権力に毅然とした態度で臨んでこなかったことが原因
ではないか。・・・どう抗していくのかが問われている。」と語っています。
報道の自由度ランキングで、日本は2016年度180ヶ国中72位でした。2010
年には11位だったものが、安倍政権のもとで下がり続けています。特定秘密
保護法などが批判されています。トップはノルウェーで、最下位は北朝鮮
でした。報道、言論の自由が守られているか、多くの国民が、もっと注視して
いかなければと改めて思います。