今日は、長野県上田市に、作家の窪島誠一郎さんが、戦没画学生の作品を

 

全国から集めて1997年に開いた「無言館」で行われた成人式に行ってきま

 

した。連休初日で、道が混雑するかと思ったのですが、1日2日が平日なためか

 

それほど混まずに、軽井沢から1時間10分ほどで行くことができました。窪島

 

さんを紹介してくれた、軽井沢図書館長の青木裕子さんを乗せて、一緒に行き

 

ました。昼から雷雨かもしれないと心配された天気も大丈夫で、無言館の庭で、

 

成人式と食事会が2時間余り行われました。この時季は、野山の新緑に山桜

 

の淡いピンクが映え、うぐいすも鳴いて、最高の自然に恵まれています。

 

今年で15回目という成人式には、地元や東京、横浜など各地から、15人の

 

新成人と家族の方たちが参加されました。毎年、メインゲストから、ひとりひとり

 

にお祝の手紙が渡されます。今年は、映画監督の小栗康平さんで、手紙を渡し

 

た後のお祝のスピーチは、心を打つものでした。無言館の作品から抱えきれ

 

ないほどのものを受け取った。自画像をあのように書くことができるとは・・・。

 

成人式を迎えた人たちは、自分の根をはり、自分の手触りで生きていけばよい

 

など。その後、全盲のイラストレーターであるエムナマエさんから絵本のプレゼ

 

ントとお祝のことばがありました。主催者で無言館館主の窪島誠一郎さんは

 

自作の詩を朗読。上田在住の黒坂黒太郎さんの、戦時中に学生を送り出した

 

国立競技場(先日取り壊された)の門の木や、原爆が落とされた広島の木で

 

作ったオカリナの演奏と矢口周美さんの歌のミニ・コンサートがありました。この

 

ような成人式に参加した人たちは、今日のことを一生忘れないと思います。

 

その後、地元の山菜の天ぷらとお赤飯の食事会がありました。小栗康平さん

 

には、もう30年余り前に、NHKの朝の番組のためにインタビューを、映画

 

「伽倻子のために」を作られて時にさせていただいていて、覚えていてくださり、

 

お話することができました。無言館、第二無言館を自力で作り維持され、この

 

成人式も15年続けられている窪島誠一郎さんには、ほんとうに頭が下がり

 

ます。帰り道は、少し混んでいましたが、私にとっても忘れられない1日になり

 

ました。