今年に入って、安倍政権の閣僚が、失言を繰り返し、発言を撤回して謝罪する
などの、情けないことが相次いでいます。昨日17日には、山本幸三地方創生
担当大臣が、16日に大津市内で開かれた地方創生セミナーで、観光客への
対応を巡って、学芸員を「がん」と呼んだことについて、撤回して謝罪しました。
山本大臣は、外国人観光客に対する文化財の説明や案内が不十分として、
「一番のがんは文化学芸員」「一掃しないと駄目」と述べました。約500人いる
学芸員や研究者でつくる「全日本博物館学会」の会長は、「学芸員の仕事を
何も知らないと感じた」と憤っている、と報じられています。学芸員は、博物館法
に定められた専門的職員で、資料の収集、保管、展示や調査研究などが職務
です。山本大臣は、重要文化財に指定されると火も水も使えず、花を生けるの
も駄目、お茶もできない、とも発言していますが、これは事実誤認とのこと。
この大臣の他にも、金田法務大臣が、「組織犯罪処罰法改正案は国会提出後
に議論すべきだ」という文書を出して、撤回して謝罪。稲田防衛大臣は、森友
学園の訴訟に関与していないとした答弁を撤回し、「裁判所に出廷したのを
確認したので訂正し、おわびしたい」と。また、今村復興大臣は、東京電力福島
第一原発事故に伴う自主避難者への対応を巡って記者会見で「どうするかは
本人の責任、判断だ」と。鶴保沖縄北方担当大臣は、米軍普天間飛行場の
沖縄県名護市辺野古への移設中止を求める県の動きを念頭に「ポジション
トークするような向きも、ないではないかもしれない」と語りました。いずれの
大臣も、謝罪するだけで、大臣を続投しています。失言で辞任をしたのは、昨年
秋に台風の被災地を視察した際、長靴を持参せずに政府職員におんぶされた
問題に関連して「政府が持つ長靴がえらい整備された。長靴業界はだいぶ
もかったんじゃないか」と自身のパーティーで発言した務台内閣府政務官兼
復興政務官だけです。1強多弱の国会情勢、官高党低で官邸が強すぎる状態
の中で、おごりやゆるみが出ているとしか思えません。野党にもがんばって
もらって、もっと力が拮抗した、緊張感のある状態にする必要があると思い
ます。