2017年度予算案は、昨日27日の衆院本会議で、自民、公明
両党などの賛成多数で可決され、参院に送られました。27日の
衆院通過は、戦後2番目の早さに並ぶ、とのこと。予算の総額は、
97兆4547億円に膨らみ、過去最大を5年連続で更新しました。
相変わらずの借金頼みで、財政再建が心配です。
また、多くの問題が、予算委員会で取り上げられ、そのまま参院に
持ちこされています。そのひとつに、自衛隊が国連平和維持活動
(PKO)に参加するスーダンの安全性があります。PKOの日報を
防衛省が「廃棄した」としていたものが見つかり、稲田防衛大臣は、
答弁に度々つまり、安倍総理が助け舟を出したりしていました。
日報に「戦闘」と書かれていたのに、憲法に抵触するとPKO派遣
5原則に反し撤退させなかければならないからと、「衝突」と言い
換えて答弁していました。納得できるものでは、ありません。また、
制服組トップの河野統合幕僚長が、記者会見で、事実上、日報に
「戦闘」の言葉を使わないよう部隊を指導したと語ったのには、
呆れました。それでは、日報の意義がなくなるではないですか。
そして、衆院予算委員会中央公聴会で、現地で避難民支援をして
きたNGO日本国際ボランティアセンターの今井氏は、「昨年7月に
ジュバであったものが戦闘かという議論が委員会であるが、言葉
遊びでは。」と述べ、今は安定したと政府が説明する首都ジュバの
現状の危うさを指摘しました。「情勢はますます悪化している。」
憎悪の連鎖で、周辺の戦闘が波及しかねない。「そういう時に
自衛隊が駆けつけ警護をすれば戦闘の当事者になる」「日本への
敵対感情が起き、NGOの活動がやりにくくなる」などと語ったと
報じられています。安全保障関連法案に基づく、自衛隊の新たな
任務ありきで、危ない所にPKOを派遣していることを多くの人が
感じていると思います。参院で、さらに審議を深め、事実関係を
明らかにしてほしいと思います。