安倍総理は、10日午後(日本時間11日未明)、ワシントンの

 

ホワイトハウスで、アメリカのトランプ大統領と、初の首脳会談を

 

行いました。両首脳が合意したのは、○日米同盟はアジア太平洋

 

地域における平和、繁栄及び自由の礎であること。○日米安全保障

 

条約第5条は尖閣諸島に適用されること。○麻生副総理とペンス

 

副大統領による日米経済対話を新設することなどです。会談では、

 

当初心配されたような「取引」を迫られることはなく、日本政府や経済界

 

は、安堵しているようです。安保については、ほぼ満額回答で、経済

 

についても日本車や円安批判はありませんでしたが、課題は、麻生・

 

ペンス両氏の対話に先送りされたとみられています。安保について、

 

大統領と確認したことは、成果として認めたいと思います。ただ、

 

ゴルフを1.5ラウンドも一緒にし、朝昼夜と5回も食事をともにするほど

 

の親密ぶりを世界に示したことは、入国制限などで厳しくトランプ大統領

 

を批判している欧州各国などには、どう見えているのか心配です。

 

アメリカメディアも「おべっか」と皮肉っている、と伝えられています。

 

NBCは、「イギリスのメイ首相よりもさらに、日本の安倍首相はトランプ

 

大統領に取り入ろうとしてる」とし、米タイム誌(電子版)は、「日本の

 

首相は大統領の心をつかむ方法を示した。お世辞だ」と題した記事で

 

「首相は記者会見でおおげさに大統領をほめた」と皮肉った、などと

 

報じられています。仲良くなることは、よいことだとは思いますが、真の

 

友人であれば、耳の痛いことも言わなければなりません。ところが、安倍

 

総理は、7ヶ国の国民の入国を一時禁止する大統領令の対応について

 

メディアに尋ねられても、「入国管理や難民政策は内政問題なので

 

コメントを差し控えたい」と国会での答弁と同じことを繰り返しました。

 

これでは、取り入っている、おべっかだと皮肉られるのも当然だと思います。

 

今後、アメリカのトランプ大統領とともに、日本が批判の対象になるのでは

 

ないかと心配です。ゴルフ外交の4時間後に、北朝鮮が日本海に向けて

 

ミサイルを発射しました。ゴルフの後、安倍総理が単独で会見を行う予定

 

でしたが、アメリカ側の提案で、トランプ大統領との共同会見になりました。

 

その中で、トランプ大統領の発言内容として、長いものが用意されていたのに、

 

実際には「同盟国日本を100%支持する」という非常に短いものだったことが、

 

様々な憶測を呼んでいる、と報じられています。スタッフが安全運転を重視

 

したとか、準備不足だ、といった見方があるようです。そうしたトランプ政権と

 

安倍政権の蜜月ぶりが、この後、どのように作用してくるのか、目が離せ

 

ません。