トランプ大統領が、イスラム圏7ヶ国からの入国を禁止した大統領令
について、ワシントン州が憲法違反で無効だとして差し止めを求めて
いた訴訟で、3日に同州シアトルの連邦地方裁判所は、大統領令を
一時差し止める命令を出しました。これによって、足止めされていた
人たちがアメリカに入国でき、4歳の女の子が心臓手術のため、
またアメリカの大学で学んでいる学生が授業を受けるため等、多くの
人が、この一時差し止めの間にアメリカに入国しています。トランプ
政権は、4日に、大統領令を一時差し止めたワシントン州の連邦地裁
命令を即時停止するよう求めて、サンフランシスコ連邦高裁に上訴しました。
これに対して、連邦高裁は4日、即時停止を認めず、違憲判断を求めた
ワシントン州などには5日中に反論の書面を、政権側には6日午後までに
反論への答弁書を提出するよう指示しました。当面、法廷闘争が続きそう
です。大統領になっても暴言を放っているトランプ氏は、ツイッターに
「このいわゆる判事の意見はばかげており、(判断が)ひっくり返される
だろう」「1人の判事によって禁止令が撤回されたため、多くのとても
悪い、危険な者たちがわれわれの国に流れこんでくるだろう。ひどい判断
だ。」と司法を批判しています。しかし、この7ヶ国の人たちは、アメリカ人を
1人も殺していない、一方、テロリストがいた中東の国でもトランプ氏が
ホテルをもっているなど経済活動をしている国は含まれていないなど、
その点も恣意的と指摘されています。トランプ大統領の姿勢は、「三権分立」
を脅かすものです。それも理解していない人が、アメリカの大統領になって
しまったことに、怖さを感じます。これ以上、アメリカを分断させる行動は、
慎むべきだと思います。