天皇陛下の退位をめぐる政府の有識者会議は、昨日23日、議論

 

の中間まとめとなる論点整理を取りまとめ、公表しました。退位を

 

容認する積極的意見を明記した上で、政府が検討している「陛下

 

一代限り」が有力とする内容です。全ての天皇を対象とする退位の

 

恒久制度化には異論が分厚く列挙され、困難とみる立場を示して

 

います。法形式への言及は避けたものの、一代限りの特別法制定

 

をめざす政府の方針を実質的に後押しする形になっています。昨年

 

10月の初会合から3ヶ月余りでの論点整理ですが、有識者会議での

 

専門家からのヒアリングの人選は、多くの国民が陛下の退位を支持

 

しているにもかかわらず、16人のうち7人が退位に反対するなど、

 

政権を支持する保守層に配慮したものと見られています。10月

 

から3ヶ月余りでの論点整理は、会議での専門家の意見や世論調査

 

で、恒久制度化を求める声が強いのに、結論ありきで政府の方針を

 

追認する形になったのは、とても残念です。恒久化への多くの反論は、

 

皇室典範を改正して恒久化をめざす民進党の考え方にことごとく反論

 

しておくことがねらいだった、という報道もあります。国会では、衆参の

 

正副議長が、与野党の意見を聴いていて、3月中旬を目標に、国会

 

としての見解をまとめることが想定されています。昨年夏の天皇陛下

 

の会見では、これからも皇室が続いていくように、慎重に考えを述べ

 

られていて、ご自分のことだけではありませんでした。それを国民も

 

受け止めて支持しているのだと思います。国民の総意によって象徴

 

としての天皇陛下があるのですから、結論ありきではなく、国会や国民

 

の意見が反映されたものにしてほしいと思います。以前にも述べたように、

 

天皇陛下のお年を考えても急がれるので、まずは特別法で対応し、並行

 

して今後の皇室について、女性宮家や女性天皇のことも含めて、検討して

 

いくということも、ひとつの考え方だと考えます。