東京都の豊洲市場(江東区)の土壌汚染を調べるために、東京都が
2年間続けてきた地下水検査の最終結果が、先日公表され、環境
基準の最大79倍の有害物質が検出されました。これまでの検査結果
では、ほとんどが基準値以下だったのに、今回、敷地内の201ヶ所の
うち72ヶ所から基準値を超える物質が検出されました。小池知事は、
「想定を超す値で驚いた。今後の方向性を専門家会議などで議論
いただき、日程もその結果次第」として、築地市場からの移転に向けた
行程が遅れることは避けられません。検出されたのは、ベンゼン、ヒ素、
シアンの3種類でした。基準値は、1日2リットルの地下水を飲み続けても
健康に有害な影響がない濃度とされていて、今回の結果で、直接健康に
影響はない、といわれていますが、食品を扱う場所ですから、基準値を
はるかに超える値がある場所への移転は、難しいと思います。それにしても、
今回が9回目の発表ということで、2014年から、これまでの検査が何だった
のか、と思います。小池さんが知事になる前の7回目までは、ベンゼンやヒ素
などが環境基準以下だったのに、知事が変わった8回目で、初めて基準の
1.1~1.9倍のベンゼンとヒ素が、3ヶ所で検出されました。そして、今回の
9回目では、72ヶ所で基準値を超え、ベンゼンは最大79倍、シアンも初めて
検出されました。7回目までの検査が、なれあいだったのか?築地市場の
関係者は、「驚きよりあきれた」「今のままじゃ移転はできない。安心して魚を
売りたいだけなんだ」などと話している、ということです。今回上がった理由
しては、入札で違う会社が調査した、ということもあげられていますが、調査
社が違えば、違う結果が出るのでは、困ります。とにかく、原因をしっかり究明
して、食の安全を守ってほしいと思います。