昨日17日、外国人技能実習生の受け入れ先への監督を強化する
技能実習制度適正化法案と、外国人の在留資格に「介護」を新設
する出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正案が、参議院
法務委員会で賛成多数で可決されました。両法案とも、今の国会で
成立し、来年から、新たな制度が始まる見通しです。これによって、
人材不足の介護現場での、外国人の受け入れが広がるとみられて
います。介護現場の人手不足は深刻で、このままでは、とても安倍
総理か掲げている「介護離職ゼロ」は困難な状態です。2015年度の
有効求人倍率は2.68で、他の職種の2倍以上になっています。私
たち団塊の世代が75歳の後期高齢者になる2025年には、約38万人
不足すると見込まれています。そうした中で、今はEPA(経済連携協定)
によって、インドネシア、フィリピン、ベトナムからだけ、介護人材として
入国できているものを、技能実習生にも認めることで、外国人の受け入れ
を拡大する方向は、ひとつの方法かと思います。しかし、技能実習制度は、
技術を外国人に学んでもらうはずなのに、実態は、低賃金の労働力として
過酷な労働をしているケースが、たびたび指摘されてきました。受け入れ先
の監督を強化する法案が、合わせて作られることは、当然のことと思います。
ただ、法律があっても、現場を監督する人が足りないと実現しませんので、
合わせて、その人材も確保する必要があります。そして、介護は、人と接する
ものですので、これまでもEPAで来日した人たちが、資格を取るのに苦労し、
できずに帰国するケースも多かったので、技能実習生に、質の高い介護を、
どのように身につけてもらうのか、また介護に必要な日本語を習得してもらう
のか、具体的な取り組みが欠かせないと思います。