第3次安部再改造内閣が、昨日3日、発足しました。主要閣僚を留任させ、


官邸主導の政治が、さらに強まるのではと懸念しています。今回の内閣改造


では、菅官房長官、麻生副総理兼財務大臣、岸田外務大臣など、要となる


8閣僚を留任させました。一方では、入閣待ちの議員が約70人はいる、という


中で、結構年を重ねている新入閣の大臣も多く、メッセージ性のない改造とも


報じられています。安部総理と政治信条を同じくし、当選4期なのに再入閣と


なった稲田朋美前政調会長が、防衛大臣になったことには驚きました。多くの


ポストを経験させて、自分の後継にと安部総理は考えているのでは、ともいわれ


ています。稲田氏は、自民党内きっての「タカ派」で、終戦記念日には必ず靖国


神社に参拝し、日本が核保有を検討すべきだと発言したこともあります。こうした


人を防衛大臣にしたことによって、中国や韓国との関係を悪化させないか、


政府・与党内からも不安視する声が出ています。中国も懸念を表明し、韓国も


「歴史修正主義の傾向がある右翼強硬派の抜擢」と警戒感を持って報じています。


「働き方改革」担当大臣を、加藤1億総活躍担当大臣に兼務させて、非正規社員


と正規社員の賃金格差を是正する「同一労働同一賃金」の実現に取り組み、


年度内をめどに、改革の具体的な実行計画をまとめる、ということです。企業の


協力が必然で、難しいことが多くありますが、これが実効性のある形で実現する


ことを願っていますので、注目していきたいと思います。自民党三役人事では、


総理の任期延長も主導しているベテランの二階氏を幹事長にし、官邸主導の


体制を強めている、といえます。閣外に出て、総理や官邸のいうこと一辺倒で、


多様な意見が党内にないのはおかしいと、次を目指す意思を示した石破前地方


創生大臣に期待したいと思います。東京オリンピックをめざして、丸川オリンピック


担当大臣と小池都知事との仲が、おもしろおかしく取り上げられていますが、政策


の中身をもっと報道してほしいし、私たちも上辺ではなく内実をみていきたいと思い


ます。