参院選の大切な争点のひとつが安全保障の問題ですが、武器輸出3原則を
見直し、武器を輸出できるようにした安部政権が、防衛装備研究をイスラエル
と共同でする準備が最終段階、と報じられています。防衛装備庁が、イスラエル
と無人偵察機を共同研究する準備が進み、すでに両国の防衛・軍需産業に
参加を打診していて、準備は最終段階、ということです。パレスチナ問題を
抱えるイスラエルは、旧・武器輸出三原則では、禁輸の対象でした。紛争当事国
になる恐れがある国、にあたりますが、安部政権は2014年に閣議決定した
新三原則で、装備・技術移転を可能にしました。この動きは、広く武器輸出を
する意思を安部政権が持っている、ということです。イスラエルは、パレスチナ
自治区ガザ地区やレバノンなどへの軍事行動を繰り返していて、共同研究や
共同開発が、武力行使への加担につながる可能性があります。新三原則に
ついては、国会でもあまり議論されず、報道も少ないので、国民が知らない
間に進められているという印象を持ちます。この共同研究については、今後
国家安全保障会議(NSC)が最終判断をする、ということです。武器輸出拡大は、
安部総理が勧める安全保障政策の転換の一環と言われています。アラブ諸国の
強い反発も予想され、外交にも影響が出ると、日本にとってマイナスになる、という
見方もあります。本来は、多くの課題に焦点があたらないといけない参院選ですが、
都知事選に誰が出るか出ないか、ということに、特にテレビが多くの時間を割き過ぎ
ていて、これでよいわけがない、と思います。