11月の米大統領選挙に向けた民主党候補者選びで、昨日6日、初の女性
大統領をめざすヒラリー・クリントン前国務長官が、代議員の過半数を確保し、
指名獲得を確実にしました。8年前の民主党の指名争いで、本命視されながら
オバマ氏に敗れ、その時に、アメリカにはまだ見えない「ガラスの天井」が、
女性にはある、と言ったことを、多くの女性たちが記憶していると思います。
今回も、既得権益に対抗し若者の人気を集めているサンダース氏に追い上げ
られ、彼は7月の党大会まで撤退はしない、と言っているので、民主党の中を
どのように求心力をもってまとめていくのかが、まず課題になっています。共和党
のトランプ氏とともに、好感度が低い候補同士の争いともいわれ、クリントン氏は
6割近くの人が、トランプ氏は6割前後の人が、好感度を持っていない、と伝え
られています。離れた日本から見ているとわかりませんが、国務長官時代に
公務で私用メールアドレスを使ったことや、金融機関などから多額の講演謝礼を
受け取っていること等が、好感度を持たれない理由、とされています。しかし、
国務長官として、100ヶ国以上を訪問して、外交分野の知見を広げ、人脈を
築いていることと、トランプ氏の外交経験のなさや暴論を比較すれば、どちらが
大統領としての資質があるかは、わかりきったことではないかと思います。
格差が開き、変化を求めていることは理解しますが、アメリカは、依然として
世界の中でのリーダーとしての地位にあるわけですから、外交等の継続や、
良識的な対応が求められます。ヒラリーさんの演説を、カイロの人口開発会議、
北京の女性会議で、生で聞いたことがありますが、とても魅力的で精力的な
政治家だと思います。アメリカで、真にガラスの天井がなくなることを願っています。