安部総理が、昨夜28日夜、首相官邸で麻生財務大臣、谷垣幹事長と会談し、


来年4月に予定している消費税率10%への引き上げについて、2019年10月


まで2年半延期する方針を伝えました。しかし、麻生大臣などが強く反対した


ため、政府・与党内で引き続き調整することになった、と報じられています。


安部総理は、これまで「リーマン・ショックや大震災のような重大なできごとが


ない限り、予定通り実施する」と説明してきています。再延期の理由として、


サミットでの26日の経済討議で、突然、世界経済の現状が「リーマン・ショック


前に似ている」と言及しました。危機回避のために、先進7ヶ国が財政出動で


協調できれば、国内需要を冷やす増税は国際合意に反すると説明でき、


「アベノミクスの失敗」という批判もかわせると考えたのだろうと、いわれて


います。しかし、首脳の一部から「危機」には当たらないという異論が出て難航


しました。サミットを、国内の政治に利用しようとしたのなら、世界から信用されず、


議長国として恥ずかしいことだと思います。そして、延期の幅を2年半としたのは、


その年の統一地方選や参院選への影響を考えて、ということですが、2年半後は、


安部総理の任期は終わっています。無責任すぎると思います。そもそも、何のための


消費増税か、民主党政権の時に、社会保障と税一体改革として、民主・自民・公明


で3党合意をし、社会保障の財源とすることと、1000兆円を超える借金を、将来の


世代にツケ回しするのではないく、少しでも今の世代で返済をし、財政を健全にする


ためでした。このままでは、社会保障の柱に加えた子ども・子育て支援や、年金、


医療、介護などに、影響が出ざるを得ません。2年半先送りする場合、社会保障に


どういう影響があるか、2020年までにプライマリーバランスを黒字にするという約束


など財政にどう影響するのか、説得力のある説明をする責任があります。何のための


消費増税かをメディアもしっかり報じてもらいたいと思います。目的がわからないから、


共同通信の世論調査では、経済的に非正規雇用などで苦しい若い世代ほど、先送り


に賛成、という結果になっているのでしょう。何のための税金か、政府を信頼していない


と取られるという意識になると思いますが、格差が開いている中で、弱い立場の人たち


の社会保障などに影響が出ることは必須ですので、よく考える必要があります。