アメリカの大統領選の候補者選びで、共和党は、過激な発言で注目を集めて


きたドナルド・トランプ氏が、指名獲得を確実にしました。当初は、17人もの


候補者が立ち混線でした。誰が、あれだけ過激な発言をしているトランプ氏が


候補者になると、当初予想したでしょうか。泡沫と言われていたトランプ氏が、


共和党の候補者確実ということは、いかに大きな問題をアメリカが抱えているか


を浮き彫りにした、とも言えると思います。ニューヨークにトランプ・タワーを持つ


実業家のトランプ氏、「米国第一主義」を掲げて、メキシコの国境に壁を作る、


イスラム教徒は追い出す、競争をできなくしている規則や規制をすべて取っ払う、


すべての国民に減税を行う等、実現不可能なことを並べて、関心を買ってきました。


日本に対しても、駐留米軍の費用を全額負担するよう一方的に求め、日韓の核武装


までも容認するような暴言をはいています。とてもアメリカ大統領の資質があるとは


思えない発言ばかりです。アメリカでも格差が開き、既存の政治家への批判が強い


などの状況が、内向き志向で、気分をスカッとさせる発言に引き寄せられる人を


増やしているのでしょう。7月の共和党大会で、正式に党の候補者に選ばれます。


一方の民主党では、本命視されていたヒラリー・クリントン氏が、若者の人気を


集めているサンダース氏に追い上げられ、まだ候補者に決まっていません。


私用メールで極秘文書を、国務長官時代に扱った問題で苦境に立っているとも


言われています。それでも、7月の民主党大会でヒラリーさんが選ばれることは


確実といわれています。最終的に、アメリカ国民は、現実的な選択をしてくれるとは


思いますが、万が一トランプ氏が選ばれた場合に、日本も備えておく必要がある


でしょう。減税については、低所得者と中間層にして、高額所得者は自分も含めて


増税する、とトランプ氏も現実的な政策に修正してきている、とも報じられていますが、


外交については未知数です。日米安保などを見直す機会かもしれません。日本だけ


でなく、世界に大きな影響を与えるアメリカ大統領選挙から、目が離せません。