待機児童対策として政府がまとめた緊急対策で打ち出した規制緩和策が、


「保育の質」の低下を防ぐための厚生労働省令に、事実上抵触することが、


「保育園を考える親の会」が、昨日6日に公表した緊急声明で指摘された、


と報じられています。政府の緊急対策では、保育士の配置や部屋の面積の


基準について、国の基準より独自に手厚くしている市区町村に対して、国の


基準並みに緩和して、一人でも多くの子どもを受け入れるよう要請すると


しています。例えば、国の基準で1歳児6人について保育士1人という配置を


5人に1人としている市区町村が対象になります。以前にも、質を低下させて


待機児童を減らそうという小手先のやり方ではダメだということを書きました。


社会保障と税一体改革の中で、民主・自民・公明の3党で合意し、昨年4月


から本格スタートした、子ども・子育て支援制度では、量の確保と同時に、


質の確保も盛り込んであります。省令に抵触する、という指摘に対して、


省令を改正するとのこと。これは、間違った方向だと、あの時3党合意に


関わった与党議員をはじめ、良識のある各党の議員には、是非、主張して


ほしいと思います。何でも、強い官邸の言いなりでよいはずはなく、それは、


厚生労働省をはじめ官僚のみなさんにも通じることだと思います。


保育士の処遇改善を求める声の中で、保育士たちも、処遇改善を求めて


動きだしています。保育士の給与を1日あたり月額5万円増額してください、


というネット上の呼びかけに賛同した約2万8千人分の署名が、先月末に、


厚生労働省と内閣府の担当者に手渡されています。他の職種に比べて、月


10万以上低い保育士の給与ですから、5万円という要望は実現してほしいと


思います。先の指摘をした、全国の子育て世代でつくる「保育園を考える親の会」


は、恒久的な財源を確保するよう求めています。既存施設の規制緩和策が中心


の政府の対策では、「保育の質が下がり子どもの安全が脅かされる」と批判し、


予算編成時の子ども施策の順位を上げ、恒久的な財源を確保するよう求めています。


保育園を考える親の会の方たちとは、議員として子ども政策を担当していた時にも、


意見交換などをしていますし、子ども・子育て支援制度のワーキングチームの


メンバーにもなってもらっていました。主張は、そのとおりと思います。保育や介護


を、3本の矢で遅れている成長戦略の柱のひとつとして、処遇改善をしていくことが


必要だと考えます。