関西電力が再稼働させ、1月30日に臨界に達した高浜原発3号機(福井県)は、


今日2月1日に発電と送電を始めました。また、高浜原発4号機では、昨日31日


に、核燃料を装てんする作業が始まっています。4号機は、2月下旬に再稼働する


見通しです。再稼働した高浜原発3号機は、新基準では、九州電力川内原発1,2


号機に続いて3例目です。プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使う


プルサーマル発電では、初めての再稼働です。再三述べているように、高浜原発


の30キロ圏には、福井、滋賀、京都3府県が含まれているのに、同意するのは


地元の福井県だけ。政府は、広域避難計画を了承しましたが、関係自治体が


参加する避難訓練は行われていません。依然として10万人以上が避難生活を


している原発事故の教訓がいかされていないままの、なし崩しの再稼働には、


賛成できません。また、プルサーマル発電は、核兵器への転用可能なプルトニウム


を消費し、核燃料サイクル政策を前進できるというメリットはありますが、使用済み


MOX燃料の処分方法が決まっていないなど、課題も多いものです。今回、高浜


原発3号機に搬入された燃料157本のうち、24本がMOX燃料で、フランスで


作られたもの、と報じられています。日本では、青森県六ケ所村に、使用済み燃料


の再処理工場とMOX燃料加工工場が建設中ですが、トラブル続きで、完成が


延び延びになっています。今後は、当初予定とは異なり、四国電力伊方原発


(愛媛県)のみが、プルサーマルにする予定とのこと。特に、使用済みのMOX


燃料は、建設中の工場では再処理できず、処分の仕方も決まっていない中での


再稼働です。今回、再稼働を急いだのは、4月の電力自由化を控えて、関西電力


が、電気料金を引き下げようとしたため、といわれています。高浜原発3号機が


ある若狭湾は、13基の原発があり、原発銀座ともいわれていますが、重大事故が


起きた場合などの備えは十分とは、とても言えません。電力会社の都合が、国民


の安全に優先するような、政府の決定には、疑問を持ちます。また、先に再稼働


した九州電力川内原発(鹿児島県)で、重大事故時の対策拠点となる免震重要棟


の建設を撤回すると、九州電力が申請した問題は、安全への信頼が、ますます


揺らぐことになります。再稼働に先立つ審査の時には、今年3月末までに、免震


重要棟を建てると説明していました。それを再稼働した後で、作らない、ということは、


認められないと思います。原子力規制委員会が、申請の出し直しを要求したことは、


当然だと思います。とにかく再稼働ありきの、電力会社に寄り添った姿勢を改める


必要があります。