政府は、今月25日の閣議で、来年度からの「第4次男女共同参画基本計画」を


決定しました。「あらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合


を30%にする」という目標を、事実上断念しています。基本計画は、来年度から


5年間の計画ですが、その中で、民間企業の課長職に占める女性の割合の目標


を15%としています。「202030」と大々的に謳って、2020年には30%として


きましたが、そもそも、1985年にナイロビで開かれた世界女性会議で、各国で


2000年までに、指導的地位の女性を30%とする、としていました。それから


20年遅れの目標を断念することは、許しがたいと思います。また、安倍総理は、


「今回の計画では、男性中心型労働慣行等の変革と女性の活躍を新たに柱と


して掲げています。女性が活躍するうえでは多様で柔軟な働き方を選択できるか


どうかが鍵であります。」と述べた、と報じられています。新たな計画には、女性


の社会での活躍を促すために、長時間労働や転勤が当然とされている男性中心


の労働環境を是正することなどが盛り込まれています。是非、この方針で取り


組んでほしいと思いますが、真意が疑われるという声もあります。なぜなら、


安倍政権は、労働改革として、以前は、残業代ゼロ法案として反対が強く


見送られたものを、高度プロフェッショナル制度として、実現させようとして


います。初めは、1075万以上の所得のある人に限定する、とはしていますが、


経済界からは、すでに拡大する考えが聞こえてきます。これまで培ってきた


労働時間規制をなくすこの労働改革は、女性が育児・介護などもしながら、


安倍総理のいう多様で柔軟な働き方を選択する、ということと矛盾しています。


女性の活躍、という時には、耳障りのよいことを言い、労働改革全体としては、


働く人の生活を無視するようなことをしようしている。すでに法律が成立した


派遣法改正も同様です。真の男女共同参画、女性の活躍を推進するなら、


一貫した考え方で臨んでもらいたいと思います。