昨日に続いて、最高裁大法廷の、夫婦同姓を合憲とし、再婚禁止期間6ヶ月の
規定のうち100日を超える部分を違憲としたことについて、報道が詳しくされて
いますので、取り上げたいと思います。夫婦同姓規定を合憲としたことは、残念
ですが、判決の中で、「選択的夫婦別姓が合理性がない、と判断したのではない」
とも述べ、「この種の制度のあり方は国会で論じ、判断するものだ」と、国会での
議論を求めています。結婚や家族の法制度を定めるにあたって、国会の裁量が
及ぶ範囲にも言及し、憲法で保障された権利とまでは言えない「実質的な平等」
を実現していくあり方は、「その時々の社会的条件や国民生活の状況などとの
関係から決めるべきだ」等の提言をしています。15人の裁判官のうち、3人の
女性は全員「違憲」とし、弁護士出身の2人の男性も「違憲」としています。この
制度によって不利な立場に置かれていると思われる女性が、15人のうち3人しか
いないことも改善してほしいと思います。選択的夫婦別姓については、1996年
に法制審議会が改正の答申をしていますし、国連の女性差別撤廃委員会から、
早急に法改正すべきという勧告も受けています。保守的な安倍政権は、後ろ向き
ですが、世論調査でも、半数、ものによってはそれ以上の人が選択的別姓を支持
していることからも、少なくとも、国会で早急に議論すべきだと考えます。また、再婚
禁止期間6ヶ月のうち100日を超える部分は「違憲」との判決を受けて、法務省は、
100日とすることを決め、全国の自治体に通知しました。来年の通常国会で
民法改正の法案を提出します。しかし、100日は禁止期間を残すことについて、
6人の裁判官が、「補足意見」として、100日以内は違憲ではないものの、父親
をめぐって争いになる可能性がない場合には、再婚禁止期間は必要ない、と
提案しています。また、離婚時に妊娠していないことが、医師の証明書などで確実
であれば、適用を除外する意見も述べています。国会で改正法案を審議する際
には、法制審議会の答申から20年も経ち、DNA鑑定もできる現在、100日の
再婚禁止期間を設けることは必要ないと思いますので、必要かどうかまで踏み
こんで議論してほしいと思います。