来日していたアントニオ・グレーテス国連難民高等弁務官は、シリア内線など


によって難民が世界で急増する中、「日本も現代の状況にあった効果的な難民


認定制度に向けて、改善を進めてほしい」として、日本社会でより多くの難民を


受け入れることについて、理解を求めました。日本の難民認定制度は厳しすぎ、


なかなか認定されないので、議員としても取り組んできましたが、あまり改善されて


いません。グテーレス氏は、また、アフリカ開発会議などを通じたアフリカ諸国


への継続的な支援や、国外に避難した人々を日本で受け入れる「第三国定住」の


対象を拡大し、受け入れ数を増やすことを提案しました。日本は、昨年まで、タイ


の難民キャンプからミャンマー難民を年間20人前後受け入れ、今年度はマレーシア


に逃れたミャンマー難民を受け入れています。グテーレス氏は、シリア難民を


受け入れるプログラムができると喜ばしいと話しています。12月末で退任する


グテーレス氏は、着任した2006年以後の世界は、「不安定な世の中の代償を


難民が一手に引き受けた10年だった」と述べました。また、日本政府が難民支援


に多額の資金を拠出してきたことや、日本のNGOの活動を評価しました。確かに、


日本の難民支援のNGOは、よくやっていると思います。政府としても、資金拠出


ばかりでなく、人道的な観点から、シリア難民の受け入れに工夫をこらしてほしい


と思います。それには、政府だけでなく、私たちが、社会に受け入れる体制を作る


ことが必要です。


方で、ファーストリテイリングの柳井会長兼社長は、来年以降、「ユニクロ」の国内外


の店舗で、難民約100人を雇用する方針を明らかにしました。難民問題について、


「国や国連に頼って解決を待つだけでなく、民間企業と個人が(支援に)取り組む


べきだ」と訴えています。ファーストリテイリングでは、2011年から、日本で難民認定


を受けた人とその家族をインターンとして受け入れ、現在国内のユニクロ店舗で


計13人を雇用し、うち2人は正社員として働いている、とのこと。この会見にも、


グテーレス氏も出席し、「日本や世界の企業にもこうした取り組みが広がってほしい」


と話しました。同社では、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に3年間で総額


1000万ドル(約12億2千万円)を拠出するほか、防寒着15万点をギリシャや


アフガニスタンなどの難民・国内避難民に提供する、ということです。こうした活動を、


もっと広げるためには、活動が報道され、多くの人が共感し、その企業の製品を購入


する等のことが必要かと思います。