先日、厚生労働省が、パートや派遣などで働く非正社員が、昨年、4割に
達した、という実態調査を公表しました。特に増えているのが、パートと
定年後の再雇用者を含む嘱託社員など、ということです。パートが非正社員
の6割を占めています。パートは、家計の助けにするためというイメージは
過去のもので、現在は、生活を支える主な収入という人が48%に上ります。
昨年の統計では、非正社員の平均賃金は、正社員の6割で、20代、30代の
男性で配偶者がいる割合は、正社員の半分以下、ということも報じられています。
女性では、働いている人の半数以上が非正社員ですし、若者の4割以上が、
非正社員です。社会保障と税一体改革の中で、非正社員でも社会保険(厚生
年金や健康保健)に入れるように、その範囲を拡大しましたが、保険料の半額を
負担する経営側の反対で、ごくわずかの拡大からスタートすることになりました。
非正社員で収入が少ないから、結婚できない、だから子どもも持てない、という
若い人の処遇などを腰をすえて改善しないと、いくら希望出生率1.8といっても
掛け声だけに終わると考えます。
こうした中で、政府税制調査会が、配偶者控除の見直しなど所得税の改革に
向けた論点を整理し、暮らしに余裕がある層により多くの税金を払ってもらい、
子育てを担う若い低所得者の負担を軽くするべきだ、という方向性を示しました。
90年代以降の少子高齢化、非正規雇用の増加によって、若い世代の所得が
下がり、結婚や出産に踏み来れず、さらに少子化が進むという悪循環が起きた
と分析し、「今こそ、税制の構造改革に着手すべき時だ」と指摘しています。
来年夏の中期答申を経て、2017年度以降の税制改正で政府・与党が具体化
をはかる、ということです。こうした、抜本的な改革をひとつずつ、是非進めて
ほしいと思います。