今日は、敬老の日。毎年、敬老の日を前に、総務省から人口推計が発表
されますが、今年は、80歳以上の人口が1000万人を超えた、ということを
各紙が見出しにしています。15日時点で、65歳以上の高齢者は、前年に
比べて89万人増え、3384万人になりました。総人口に占める、65歳以上の
高齢者の割合は26.7%で、過去最高を更新しています。特に、80歳以上は、
総人口の7.9%になり、女性は10人に1人が80歳以上、ということです。
高齢者の比率が世界で一番高い、超高齢社会に日本はすでになっていますが、
今年のデータでも、イタリアの22.4%、ドイツの21.2%などを上回っている、
と報じられています。長寿社会はよいことですが、課題もあります。ひとつは、
誰の手も借りずに生活できる健康寿命と平均寿命が、男女ともに10年以上の
差があることです。本人のクオリティーオブライフ(生活の質)の点からも、
介護などの社会保障費の急増からも、何とか健康に年を重ねられるよう、
地域の人達との協働作業として、介護予防、健康な生活を維持するために
取り組む必要があると思います。もうひとつの課題は、高齢者の貧困の問題
です。最近、「下流老人」「老後破産」といった本が、よく読まれています。格差
が開いていることもありますし、高齢者の6割が、年金だけで生活しているのに、
年金が長く維持するために切り下げられたりして生活を支えきれなくなっています。
誰にも気づかれずに孤独死する人が、年間約3万人いる、と報じられているのに
驚きました。貧困と孤独に高齢者が陥らないよう、地域の中で見守り、助け合って
いくことが、これまで以上に必要になっていると思います。