今日11日の午前10時半に、九州電力の川内原発1号機(鹿児島県)が、


再稼働しました。原子炉内で核分裂を抑えている制御棒を引き抜き、原子炉が


機動しました。半日後の午後11時頃、核分裂反応が連続的に起こる臨界と


なる見通しです。原発がゼロだったのは、1年11ヶ月あまり、約2年で終わり


ました。4年半前の福島原発事故の教訓は、いかされているのでしょうか。


川内原発前などでは、抗議する市民が集まり、反対の声をあげました。


何度も述べているように、原発をゼロにすることを2030年代には実現する、


と民主党政権の時に決めていました。ところが安倍政権は、企業の言い分を


もとに、事故などなかったかのように原発推進に舵を切っています。安全性が


確認された原発は再稼働することに、当面は異論はありません。しかし、一番


大事だと思う、住民の避難計画が不完全なままの再稼働には反対です。


川内原発1号機の30キロ圏内の9市町村は、事故が起きた場合の避難計画を


策定し、車を使えない住民はバスで避難することにしています。ところが、バスの


運転手からは、放射能がこわい、乗りたくない、との声が上がっていて、最大


3千人のバス避難は、実効性に疑問がある、と報じられています。菅官房長官は、


「新規制基準に適合すると認められた場合は、政権として再稼働を進めると


閣議決定している。~地元の理解を得られるよう、丁寧に取り組んでいくのは


極めて重要だ。万が一事故が起きた場合は、国が先頭に立って対応する


責任がある。」と語っています。一方、川内原発の30キロ圏内にあり、原発立地


なみの安全協定を求めている伊万里市の塚部市長は、「住民の不安解消を最優先


に防災体制の強化などにもさらに努力してもらいたい。」とのコメントを発表して


います。また、福井県内の原発から30キロ圏内に2市がある滋賀県の三日月


知事は、「実効性ある多重防護体制の確立などの課題があり、まだまだ不安な


部分がある。現世代と次世代に責任を果たし得るかという観点で、大いなる


不安と強い疑問を感じる。」とのコメントを発表しています。この後、九州電力の


川内原発2号機、関西電力高浜原発3、4号機(福井県)、四国電力伊方原発


3号機(愛媛県)が、再稼働の手続きを進めています。このうち、高浜原発は、


福井地裁が、4月に再稼働を禁じる仮処分を出しているので、再稼働できるか


どうかは不透明、とされています。政府は、避難計画を地元自治体まかせでは


なく、国として率先して作り、責任体制を明らかにして、住民の不安を払しょくする


ことは、最低限必要だと思います。