この国会で争点となっている労働法制のうち、労働者派遣法をめぐって、


衆議院の厚生労働委員会が、大荒れになっています。この法案は、専門


26業務とその他で働ける年数が違っていたものを、一律3年にすること。


人を変えれば、企業は、同じ業務をずっと派遣でやっていけるようになること。


など、不安定な派遣労働者に、正規雇用から企業が乗り換え、不安定雇用を


増やす法案といえます。3年後には正規への転換ができたり、非正規のキャリア


アップにつながる、と今日の答弁でも総理は言っていましたが、正規に雇用される


可能性は低いのが現状です。この法案に対して、民主・維新が共同で、「同一


労働同一賃金」の法案を提出していました。同じ仕事には同じ報酬という、この


考え方以外に、派遣など非正規雇用の処遇を改善する根本策はありません。


期待をしていましたが、与党寄りになるか、野党寄りになるか、スタンスが、


はっきりしなかった維新の党が、与党と修正合意をして、派遣法の採決に応じる


ということになりました。これは、共同提出していたのに、裏切りといってもよいと


思います。しかも、当初の同一労働同一賃金の均等待遇が確保されていれば


ともかく、与党との修正によって「均等・均衡待遇」となってしまい、これでは


骨抜きです。均衡というのは、バランスがとれていればよい、ということで、


均等とは全く違います。この修正協議を主導したのは、与党寄りになりたい


大阪組で、それに対して反論が、維新の党の会議で噴出した、と報じられて


います。今日の衆議院厚生労働委員会では、民主・共産が欠席する中、


質疑終局を委員長が宣言し、大荒れになりました。委員長の入室を阻止する


などした野党議員に対して、懲罰動議が与党から出されるようです。自民党の


谷垣幹事長は、「旧態依然とした対応」だと批判しましたが、それに対して、


民主党の岡田代表は「多数で強行することに対して、やむを得ない対応」だと


しています。来週、与野党の理事懇談会を開いて、来週には採決する予定、との


ことですが、成長戦略のためにも、働き方は大切です。安倍政権からは、その


考え方が全く見えず、懸念を持ちます。数の論理で強行することは、許されない


と考えます。