厚生労働省が、一昨日5日に発表した、2014年の合計特殊出生率(1人の


女性が生涯に産む子どもの推定人数)は1.42で、前年に比べて0.01ポイント


下回り、9年ぶりにマイナスになりました。前年を下回るのは、過去最低だった


2005年の1.26以来です。また、2014年に生まれた子どもの人数(出生数)


は、100万3532人で、前年より2万6284人減って、過去最少でした。この


出生数は、出生率が前年に比べて高くなっている間も、ずっと減り続けていました。


それは、子どを産む年齢の女性の数が減っているからです。都道府県別でみると、


最多は沖縄の1.86で、最少は東京の1.15でした。東京の出生率は、1をきる


こともあったので、これでも増えたほうです。厚生労働省は、出生率が低下した


原因について、晩婚・晩産化に加えて、人数が多い団塊ジュニアの世代が40代


に入り、30代の出産数が減ったなどと分析している、ということです。子ども・


子育てを支援する新しい仕組みが、消費増税を財源に、今年の4月から、本格的


に始まるなど、子育てを支援する政策は少しずつ充実してきていますが、まだまだ


安心して子どもを産み育てる環境になっていない、ということだと思います。これまで


あまりにも、子どものことを後回しにしてきた日本の政治、行政、人の意識などの


積み重ねによるものだと思います。それに加えて、最近では、非正規雇用で、


年収が200~300万の若い人が増えていることがあります。年収300万を


境目に、結婚の壁が存在することが、結婚相手紹介サービスのツヴァイの調査で


明らかになっています。収入が少ないから結婚できない、だから子どもを持てない


という若い人を支援するには、非正規が増えている働き方を改める必要があります。


また、バリバリ仕事をしている人は、特に労働時間が長くなり、子育てと両立することが


難しくなります。現在の国会では、ますます不安定雇用を増やし、労働時間を結果的


に長くする法案が提出されています。少子化への対応には、逆行していると考えます。


出生率は、持ちたい人が子どもを持つようになれば、自然と上がってきます。ワーク


ライフバランスが保たれ、持ちたい数の家族が持てるように、今、必要な政策を実現


しないと、人口構成の逆ピラミッド型は、一層長く続くことになります。