過激派組織「イスラム国」(IS)による日本人人質事件について、一連の対応


を検証してきた政府の委員会が、先日21日、報告書を公表しました。委員会は、


2月に発足して、杉田官房副長官をトップにして、官僚10人のメンバーで、


有識者5人かも意見を聞いて検証を進めた、ということです。結論としては、


「政府の判断や措置に人質救出の可能性を損ねるような誤りがあったとは


言えない」としています。そして、政府が取り組む課題として、情報収集体制の


強化、危険な地域への渡航抑制などをあげています。説明が不十分で、身内


による結論ありきの報告書としか思えません。具体的なことを欠いた報告書で、


後藤健二さんの妻からのヒアリングもしていません。「イスラム国」と戦う周辺


各国への支援を表明した総理の中東政策の演説についても「内容、表現に


問題はなかった」としています。犯行グループと後藤さんの妻とのやりとりも、


関係国や宗教指導者などに政府がどのような働きかけをしたのかも、詳しい


いきさつは全くわからないままになっています。過激派組織に、手の内は明かせ


ないということなのかもしれませんが、今後このような事件が起きた場合に


どうするのかを考えるためにも、今回の対応の経緯をもっと具体的に公開して


ほしかったと思います。2人の犠牲をむだにしないためにも、今回のことから


教訓を得て、再発防止に資することが必要なのに残念です。