ドイツのメルケル首相が、7年前の洞爺湖サミット以来、久しぶりに、昨日9日
来日しました。最近、中国と親しくしてきたドイツ首相としても、多角的に、日本
とももっと親しくしようと考えたから、ともいわれています。安倍総理と会談して
日本と中韓両国との対立について「ナチス時代の行為について透明性をもって
検証してきた経験がある」と述べ、都内での講演でも「あらゆる努力を惜しまず、
平和的解決策を見出すべきだ」と述べています。ナチスによる大量虐殺の
歴史をもつドイツが、第二次大戦後、国際社会から受け入れられたのは「過去
ときちんと向き合ったからだ」と指摘しているのは、今の頑なな日本の態度への
警鐘だと思います。首脳会談では、東アジア情勢の他に、ウクライナ情勢、テロ
対策、国連安保理常任理事国入りに向けた国連改革での連携強化、などを
話し合った、ということです。原発への対応については、日本での原発事故に
よって、技術水準高い日本でも予期しない事故が起きるとわかったので、
2020年までの「脱原発」を決めたメルケル首相に対して、原発再稼働、原発を
ベースロード電源とする、という安倍総理とでは、あまりにも対応が違いすぎ
ます。2006年に首相になって以来、信頼できる政治を行ってきたメルケル
首相は、EUの中でも大きな力を持っています。物理学者から、ヨーロッパを
率いるリーダーになったメルケル首相は、政治や科学など女性が少ない世界
を変えるには、前例を作ることが大事、と語っています。いろいろな意味で、
示唆に富んでいます。ドイツは、日本と似ている勤勉な国でもあり、これから
よいパートナーになっていくことを望んでいます。