イスラム国に拘束されていた、フリージャーナリストの後藤健二さんが、多くの
人の願いにもかかわらず、殺害されてしまいました。1月29日の日没までに
ヨルダンに収監されている死刑囚との交換が実行されなければ、まずヨルダン人
パイロットを殺害する、という予告からまる2日、音信が途絶えていましたが、
今日2月1日の早朝に、後藤さん殺害の動画がインターネットに公開されました。
ことばに表しようもない残忍な行為で、怒りのことばを、どう発してよいのか、
わかりません。後藤さんは、戦場になった国で、弱い立場に置かれている、
子どもたちを中心に、暮らしの現状を、世界に発信していました。本を出版し、
また、日本国内では、学校やユニセフなどの場での講演を行っていました。
戦場になっている国の人々に寄り添って、その現状を、悲しみや喜びなどを
伝えていました。国境を越えて、多くの人が、後藤さんの生還を願って、様々な
メッセージを発していたことからも、その人柄が偲ばれます。彼でなければ
伝えられなかったものが、たくさんあったであろうのに、47歳の若さで命を
絶たれた無念さは、いかばかりだったでしょう。そして、私たちにとっても、
こうしたジャーナリストは、かけがえのないものだったはずです。もう一人の
殺害された湯川さんの情報も求めて、2人目のお嬢さんが生まれて3週間後に
日本を発ったとのこと。心が痛みます。後藤さんが、伝えようとしたことを、
受け継いでいけるようになれば、と思います。イスラム国は、日本をイスラム国を
攻撃する国々の連合の一員とみなしているようで、今後も日本人をターゲットに
する、と言っています。今回の日本の対応、一生懸命あたっていることは
わかりましたが、情報網もなく、ヨルダンに頼るしかありませんでした。今回の
残念な結果になった事件を、専門家も含めて検証する、と菅官房長官は会見で
言っていました。徹底的に検証してほしいと思います。国会が開かれているの
ですから、国会の場でも、話し合い、知恵を出し合ってほしいです。安倍総理の
積極的平和主義が、誤ったメッセージにならないように、と思っています。