政府は、昨日27日、認知症の対策を強化するための、初の国家戦略(新


オレンジプラン)を決定しました。10年後の2025年には、65歳以上の


5人に1人、約700万人が認知症になると国は推計しています。現在の


7人に1人から、更に増えます。ですから、一般的な病気として、「当事者の


視点重視」などを大きな柱としています。戦略の柱は、「理解の普及・啓発の


促進」「適切な医療・介護の提供」「予防や診断、治療法などの研究開発」


「本人や家族の視点の重視」「介護者への支援」「若年認知症の支援強化」


など7つの柱が盛り込まれています。政府は、15年度予算案に、認知症


対策として、14年度より66億円増の約161億円を計上しています。


省庁縦割りではなく、徘徊の問題等もあり、省庁横断的にという点は、


評価できます。


この政府の国家戦略は、2ヶ月という短期間で作ったこともあるのか、


数値目標が一部しかないなど、実効性があるのか心配な点もあります。


認知症については、オレンジプランは、住みなれた地域での自分らしい


暮らしができるよう、精神科病院への長期入院は弊害があるという立場で


作られていました。ところが、今回の国家戦略では、病院団体の意向を受けた


のではと報じられていますが、精神科病院の役割が強調されています。


また、介護人材の確保が難しい現状にもかかわらず、介護報酬が下げられ、


人件費は上げるようにしているといっても、経営が成り立たなくなる施設が


出るのではないかと、現場では心配の声が上がっています。介護職の


月収は、他の職種より10万円低いと言われ、子どものための保育職と


合わせて、超少子高齢社会での福祉職の処遇を改善することが、早急に


求められています。それを実現しないと、国会戦略は、絵に描いた餅に


なってしまいます。