今日、軽井沢に戻りました。今日は、最高気温が9度まで上がり、あちこちで、


凍っていた道が融けて、水たまりができています。先ほどから、屋根の雪も


音をたてて落ちてきています。


今日から、第三次安倍内閣になって初の通常国会が、150日の日程で、


開会しました。この国会では、集団的自衛権の閣議決定を受けての、安全


保障に関する多くの法案が審議されます。また、農協の改革や、労働の規制


緩和の法案なども審議される予定で、目が離せません。特に、NHK解説委員の


頃から、労働を担当してきた私としては、労働基準法の改正を注視しています。


規制緩和は、労使が対等の関係にあって、労働者が働きすぎにならないように


できる力を持っていないと、有効には働かないと考えます。あらかじめ想定した


時間だけ働いたとみなす、裁量労働制では、認められる業務を追加して、手続きも


簡単にします。残業代ゼロといわれていて、残業や休日・深夜労働をしても、割増


賃金が一切払われない、高い収入を得る人が対象の、高度プロフェッショナル労働制、


これは、ホワイトカラー・エグゼンプションといわれ、労働側の反対で一度は葬られた


ものです。政府は、時間ではなく、成果で評価される働き方と説明してきました。


現在の労働基準法でも、成果で賃金を決めることが、労使によってできると考えられ


ます。新しい制度を作る必要があるなら、長時間労働を防止する方法を確立し、


運用をチェックしていくことが必要です。現在の案では、働き過ぎ防止策は、通達や


指導にとどまるものが目立っています。初めは、高度な職業能力をもち、高い収入の


労働者を対象にしていても、一度制度を作れば、もっと多くの労働者を対象に変えて


いくことは容易です。いつも言っているように、労働者を大切にしない成長戦略は


あり得ないことを、安倍政権には、しっかり認識してほしいと思います。国会審議では、


時間をとって、理解されるようにやっていく責任があり、野党にもがんばってほしいです。