一昨日、16日に、パキスタンのペシャワールで、陸軍が運営する学校が、
武装グループに襲撃され、141人もの人が殺害され、その多くが生徒という
ニュースには、衝撃を受け、また心からの怒りを覚えます。反政府勢力の
パキスタン・タリバーン運動(TTP)が、殺害目的で襲撃し、襲撃犯7人は、
全員射殺された、ということです。パキスタンでは、2008年に軍事政権が
崩壊し、現在のシャリフ政権は、TTPとの対話姿勢を示して、一時停戦も
実現しましたが、軍が攻撃をやめず、政府も軍の圧力で路線を転換した。
掃討作戦で女性や子どもが犠牲になった報復として、軍の学校を標的に
選んだとしている、と報じられています。どのような理由であれ、多くの子ども
たちを犠牲にすることは、許されるはずがありません。パキスタン・タリバーン
運動と共闘関係にある、アフガニスタンのタリバーンも、異例の非難声明を
出しました。ノーベル平和賞を受賞したマララさんを襲撃したのも、同じTTP
です。マララさんは、「この無意味で冷血なテロ行為に、私は悲しみにうち
ひしがれている。」として、世界中の指導者、人々がテロと戦うことを促して
います。私は、NHKで仕事をしていた時に、アフガン難民の女性や子ども
たちの取材で、ペシャワールに行ったことがあります。その時は、まだ町で
しばしば銃声を聞き、車から降りてはいけない、と言われたことを思い出します。
パキスタンやアフガニスタンでは、貧富の格差が大きく、不満をもった若者が
タリバーンに参加し、人々の間で、タリバーンの指導者は、人気がありました。
現在は、カルカイダなどの影響もあり、一層過激になっているのかもしれません。
こうした悲劇をなくすためには、世界中で、貧困をなくし、もっと平等な生活が
送れるように支援していくことも、欠かせないと思います。