今月26日に、2013年7月の参院選が、一票の格差が、最大4.77倍だった
ことは違憲だとして、2つの弁護士グループが、選挙無効を求めた全国訴訟の
上告審判決があり、最高裁大法廷(寺田逸郎裁判長)は、「違憲状態」との
判断を示しました。国会が限られた期間で不平等を解消できなかったことは、
やむを得ないとして、違憲判決を回避し、選挙無効の請求は退けました。この
選挙では、東京で56万票で落選したのに、鳥取で16万票で当選したように、
最大で一票の価値の格差は4.77倍もありました。最高裁は、2年前にも、
違憲状態として、都道府県単位の区割りを改める抜本改正を促しました。
しかし、参議院では、4増4減にとどめた結果、大きな格差を残したままに
なっていました。今回の判断では、1人の裁判官は「選挙無効」の意見表明を
したということで、ギリギリの司法の忍耐の限界と、報じられています。
選挙の一票は、民主主義の根幹です。党利党略で、なかなか結論が出ない
議員の議論だけでなく、衆議院のように、第三者による改革の議論が必要だと
思います。抜本改革の際には、現在の衆議院と参議院が同じような選挙制度に
なってしまい、カーボンコピーといわれる状態を変えることも考えてほしいと
思います。例えば、参議院は、すべて比例選挙にし、男女等のクオータ(割当)制を
取り入れる、ということも、ひとつの案だと思っています。政策や予算を作り、
大臣を出すのは衆議院として、参議院をチェック機関に徹するように変えるという
ことです。私たち、ひとりひとりも、選挙制度のあり方を考えるきっかになればと
思います。