7~9月期の国内総生産(1GDP)速報値が、予測を大きく下回るマイナス1.6%


のマイナス成長になりました。ショックを受けた市場では株価が急落し、円相場も


乱高下しました。これによって、安倍総理が、来年10月の2%の消費税増税を


先送りすることが説得力を持ったという見方もありますが、アベノミクスが失敗なの


ではないかという新たな争点を生むことにもなると思います。現状では、消費増税の


先送りに反対している政党がない中で、なぜ解散・総選挙なのでしょうか。今は、


実効性のある経済対策が必要なので、600億円超を選挙費用につぎこみ、政治


空白を作るときでは、ありません。アベノミクスによって、株高、円安はもたらされ


ましたが、7~9月期には回復するというアベノミクスのシナリオが崩れていると


いえるのではないでしょうか。円安になっても、海外に生産拠点を移した企業が多く


輸出が増えるメリットにはならず、原材料費の負担が中小企業や地方にのしかかって


います。また、物価の上昇などに、賃金が追い付いていず、これは時間差があると


いうこととばかりは、言えません。アベノミクスの3本目の矢が、うまくいっていず、


新しい産業である医療イノベーション、新しいエネルギー、戦略的農業、介護や


子育てなどの福祉、こうした分野で、生活できる賃金をともなった雇用を創るといった


地道な積み重ねが、できていないからだと思います。解散・総選挙が止めようがない


状況の中で、アベノミクスだけでなく、この2年間の安倍政権の政策、集団的自衛権、


特定秘密保護法、原発再稼働など、真の争点というべきものを判断してくことが


重要だと思います。