11月8日に上海で行われた、フィギュアスケートのグランプリシリーズ第3戦


中国杯で、羽生弓弦選手は、直前の練習で、中国の選手と衝突し、負傷しながら


競技に挑み2位になりました。衝突の後、しばらく立ち上がることもできなかったのに、


応急治療をした後、頭、顎、足などを負傷しながら、驚異的な精神力で、5回転倒


しましたが、4回転はまわりきっていて、2位の成績でした。私は中継を見ていて、


もう無理だと思ったのに出場し、あれだけがんばったことに、心から感動しました。


会場で見ていた人からも、多くの花束が投げ込まれて、感動を呼んだ様子が、


わかりました。確かに、将来ある選手が負傷しながら滑ったのは無謀、という


意見があるのも、わかります。それでも、オリンピックチャンピオンとして、


人一倍責任感が強い羽生選手が決断し、コーチも、体が一番大切だ、ヒーローに


なる必要はない、と話しても、本人が出場すると決断したら支えるしかない、と


話していて、そのとおりだと思います。この決断で、羽生選手やコーチを非難するのは、


酷だと思います。議論されているように、これを契機に、フィギュアでは決まりがない、


どの程度の負傷であれば出場を禁止する、といった、ラグビーなどではある規則を


作ることは必要でしょう。また、4回転が普通のことになり、以前よりスピードが


出ている中で、6人が一緒に滑る直前練習のあり方の検討も必要でしょう。今回は、


アメリカの医師が治療をしてくれたということですが、医師の帯同も、検討されている


ということです。このように、今回の事故を、前向きにルール改正などをする機会に


してほしいと思います。羽生選手には、さらに心労を重ねるようなことは避けて、


大事な体を、しっかり治療してほしいと願っています。