働きすぎで命を落とす、「過労死」については、海外でもローマ字でKAROUSHI


と書いて通じるほど、日本の働きすぎの象徴として、国際的にも知られてしまって


います。私は、NHKの解説委員として、労働問題の解説をしていた頃から、


過労死110番を実施されていた過労死弁護団の方たちを通じて、取材をさせて


いただいてきました。過労死で家族を亡くされた家族の会の方たちが出版された本を


放送で紹介したこともあります。現在も、過労死で年間どれだけの方が亡くなっているのか、


正確な数字はわからない、とされています。労災で過労死と認定される数は、少しずつ


増えてはいますが、年間の申請数の数パーセントしかありません。年間1万人もの人が


過労死とみられる原因でなくなっている、という見方もあります。死因としては、心筋梗塞、


心不全、くも膜下出血、脳出血などで、過労死だと証明することは、難しいのです。


国会議員になってからも、過労死防止の法制化を求める方たちと院内集会などを


開いてきましたが、これまで、法案成立には、至っていませんでした。民主党など


野党6党が法案を提出していましたが、このほど自民党も過労死防止法案をまとめ、


与野党で調整をして、この国会で成立か、と報じられています。日本人の労働時間は、


先進国の中で、まだまだ長く、週に60時間以上働らいている人は、480万人に上ります。


家族の会の方たちが出版された本の「命より大切な仕事って 何ですか?」ということばが、


強く心に残っています。何とか、国会で防止法案を成立させ、人間らしく働ける社会にする


一助にしてほしいと願っています。